プログラムについて

Program

多彩能

それぞれの「持ち味」=「多彩能」を育む

私たちが子どもたちに育んでほしいと願うのは「多彩能」です。

人は本来ひとりひとり違う。全員に「持ち味」は絶対にある。特別な人だけが持っていると思われがちな「才能」ではなく、それぞれに持った「彩り豊かな力」を開花させ伸ばしてほしい。その思いを込めて「多彩能」という言葉をつくりました。

自分は何が好きで、何が得意で、どんな特徴を持っているか、ということに気付き、自分らしく成長し、どんな荒波にも挑むことができる「生きる力」を育む、それを私たちは目指します。

アプローチ

多彩能と学び方を発見する

ウィーシュタインズでは、子ども一人ひとりの持ち味を尊重し、それらを活かす方法で楽しく学ぶことができるように、MI(多重知能)理論※1、STEAM教育などを参考に独自のプログラムを提供しています。

「MI理論」は、人間の知能には、「IQ」で表されるようなものだけではなく複数存在し、問題を解決するときにはそれらを使い分けたり組み合わせたりしている、という考え方です。

また、「STEAM」は、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)というテクノロジー時代に必須の理系の学問に、Arts(アート)が加わった分野横断的で実践的な学びです。新しい視点や疑問を投げかけることや、見えないものに価値を与えるなど、アートの持つ特性が、新しいテクノロジーやアイデアを創造する力を引き出します。

ひとつのものさしではなく、様々な視点から。
それぞれの多彩能に目を向け、自分なりの学び方を学ぶ場を作っていきます。

※1)1980年代にハーバード大のハワード・ガードナー教授が発表した理論。現在では、人間の知能は少なくとも8つの多重知能(「言語的知能」、「論理・数学的知能」、「空間的知能」、「身体・運動的知能」、「音楽的知能」、「対人的知能」、「内省的知能」、「博物的知能」)があるとされています。

建築

STEAMが詰まった「建築」を
学びのプログラムに

ウィーシュタインズでは、「建築」を中心にプログラムを作っています。

建築は、設計や施工に必要な数理はもちろん、デザインなど芸術的な面、さらには歴史・哲学・法律・経済などあらゆる分野を横断して考える必要があり、もっとも身近なSTEAMと考えることができます。そのため北欧では、子どもの頃から建築を学ぶことで、環境を理解し、創造する楽しさを知るそうです。

また、建築は総合芸術とも言われ、建物にとどまらずインテリアや空間、さらには景観・都市計画にまで至り、必ず様々な人たちのコラボレーションからできています。この建築が持つ多様性は、子どもたちがそれぞれ異なる分野で興味関心を広げたり、自分の得意なことで輝いたりする機会を生み出し、同時に美意識や感性を磨くことができると考えます。

本物

プロフェッショナルと自然へのこだわり

さらに、私たちのこだわりは、子どもたちに「本物」に触れて欲しいということ。

建築家、大工、アーティスト、職人、そして教育関係の方々。ウィーシュタインズの取り組みに共感してくれる様々なプロフェッショナルが、講師として、時に友だちとして子どもたちと時間を共にします。各分野でプロとして活躍する人たちの技やアイデア、そして好きなことをしながら生きる人々に触れることで、子どもの本来持っている気持ちや潜在的な力が引き出されていくのではと考えています。

また、木を使ったワークショップや自然の中でのアクティビティを通しても「本物」とのふれあいを大切にします。

リフレクション

多彩能に気づき、育てる

プログラム終了後、まずは子どもたちと一緒にリフレクション(振り返り)を行い、みんなで学びを共有します。これにより、自分の気持ちや経験を客観視し、新たな気付きやものの見方を取り入れやすくなります。

また、私たちはスタッフや大人同士のリフレクションと対話も大切にしています。子ども一人ひとりの特徴や学び方、発揮していた持ち味について話し合い、記録し、次のプログラムでの活動内容や接し方に反映します。この積み重ねが子どもたちの彩能を伸ばします。

プログラム紹介

奥多摩ツリーハウスプロジェクト

奥多摩の自然豊かな森の中で子どもたちがツリーハウス創りに挑戦するSTEAMキャンプ。
奥多摩沢井地域の皆様のご協力を得て、特別なプログラムが実現しました。プロの大工さんやアーティスト、林業の方々と一緒に、子どもたちが何を作るか、どう遊ぶかを考え作業し、ここにしかないツリーハウスの森が生まれました。豊かな自然や建築にあるSTEAMのいろいろな要素を体験しながら、一泊二日を過ごしました。

ワークショップ「つみきとけんちく」

建築家の菅原大輔さんと、つみきを使ってSTEAM教育を学びました。
まずは、菅原さんが組んだ「かたち」を再現するミッションをこなした後、身近にある建物や世界遺産を例に積んで作った建物(組積造)のレクチャーを受け、最後は世界遺産をそれぞれつみきで作りました。
特徴を捉えてフォルムを表そうとする子もいれば、忠実に構造をなぞろうとする子など、一つも同じ作品はありません。子どもたちがどんどん生みだす新しい表現に、プロの建築家も驚きの連続でした。